カタコト日本語実践例④「至急ご連絡ください。」はどう言う?


外国人が日本語を話さなければならない場面で最も難しいもののひとつが、テレフォンセンターの方などとの電話でのやりとりです。繰り返される聞きなれない敬語が難しいだけでなく、相手の口元も見えず音声も濁ってしまうため言葉がとても聞き取りづらいのです。それが留守番電話となればなおさら難しくなります。緊急の用事で連至急連絡が必要な場合、「至急ご連絡ください。」と言うだけで外国人に伝わるでしょうか。「至急」も「連絡」も2つ以上の漢字から成り立つ漢語です。漢語はフォーマルな場面で使われることが多く、初級の生徒にとっては少し難易度が高いのです。そこでまずは、ルール3の漢語を避けるから始める必要があります。

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難易度 ★★☆☆☆

使うポイント=3、4 (漢語を避ける、文を分解する)

 

「電話します。お願いします。とても急いでいます。」

「早く電話をします。お願いします。」

「問題があります。早く電話してください。」

 

“急いでください”というフレーズは、タクシーを使う場面などでも使える表現なので、学習者自ら覚えたがることもあります。そのため、「急いでください」がそのまま伝わることもあるでしょう。そうでなければ「早く」と、時間を明確に示すようにします。

「問題」は漢語ですが、“No problem”を直訳して「問題ない」とというフレーズを覚えている外国人もたくさんいますす。「問題がありました。急いで電話してください。」日本語に慣れている外国人であれば、このような表現でも伝わるでしょう。みなさんが外国人と会話をしているときも、相手が話す言語の細かい文法表現がわからなかったとしても、知っている単語がいくつか並べばとなんとなく言わんとしていることの想像がつくということがあると思います。ということはつまり、相手がわかるような単語を使うようにすれば「外国人に伝わる日本語」になるということです。「至急」と「早く」、「連絡」と「電話」であれば、どちらの方が相手が知っている可能性が高いか。どちらの方が簡単かを考えるようにすれば、相手にキャッチしてもらえる単語の数が増えるはずです。言っていることが伝わらないもどかしさと、言われいてることがわからない相手のイライラが伝わってきて焦ってしまうこともあるかもしれませんが、なるべく簡単な単語で、短い文章を並べるように話してみてください。