カタコト日本語実践例③「ごみは分別して出してください。」はどう言う?


あなたの家の近所に外国人は住んでいますか。近隣外国人住民との文化や習慣の違いから、騒音やごみの出し方でトラブルになるということも聞いたことがありますが、みなさんのところはどうでしょうか。私の生徒の中にも、最近引っ越しをした人がいます。フランス人の彼は奥様と3歳の息子さんとの3人暮らしで、より広い家を探し続けてようやく引っ越すことにしたのです。ところが、入居からたった1週間後「騒音が気になる」と下の階の方から注意を受けてしまったのです。そこで彼は、子どもが走り回る際の騒音を防ごうと、カーペットと子供用スリッパの購入し、下の階の方へ謝罪のお手紙を書くことにしました。この真摯な対応に下の階の方も納得してくれたようです。

一方、私が近所のカフェのテラス席で、大きなスーツケースを傍らにコーヒーを飲んでいる男性を見かけた時のことです。彼は食事が終わると、食べていたサンドイッチのパッケージや紙カップなどのゴミをテーブルに散らかしたまま去って行ってしまいました。スーツケースを持っていたところを見ると、彼は観光客で日本文化に慣れていなかったのでしょうが、それにしても見ていていい気はしません。でも、彼はただ日本の習慣や文化を「知らなかった」だけなんですよね。ならば、ルールを知ってもらわなければいけません。

「ごみは分別して捨ててください。」ゴミ出しのルールを知らずに、なんでもかんでもごちゃまぜにして捨ててしまう外国人がいたら、あなたはどのように注意すればよいでしょうか。

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難易度 ★★★☆☆

使うポイント=3,4(漢語を避ける、文を分解する)

 

「紙と、プラスチックは一緒じゃないです。別々です。お願いします。」

【解説】

「分別」という単語は、ゴミ捨てという特定の状況以外で使われることが少ないので、伝わらない可能性が高いと思います。また、そもそもその外国人の国には「ごみを分別して捨てる」というルールがなく、その分別するという行為自体が初めてだということも考えられます。

一番いいのは、、実際に彼らの前でごみを分別して捨てるという行動をしながら説明できることです。袋を用意し、「紙のごみはこっち、プラスチックはこっち」と言いながら、見せながら説明してみましょう。

また、「燃える」「燃えない」というのも伝わりにくい言葉です。火の絵が描かれたステッカーやポスターなどを用意して、張り付けておくのも重要でしょう。